地域社会に貢献
その一つに環境省からの受注案件として、放射線の基礎知識と健康影響に関する科学的な知見や
関係省庁の取り組みをまとめた冊子の改訂プロジェクトがある。
シンクタンクがこの冊子の作成を手がける意義は何だろうか?
技術・安全事業部
防災・社会安全チーム
事業リーダー
2015年入社
新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 修了(博士)
時間の余裕があれば、ランニングか、美術館巡りをしています。「週に数回10キロ走ります。100キロのウルトラマラソンに出場したこともあります」
技術・安全事業部
防災・社会安全チーム
2013年入社
海洋科学技術研究科 海洋管理政策学専攻 修了
中学高校は吹奏楽部、大学ではオーケストラに所属。今もトロンボーンを演奏する。「社のすぐ近くにホールがあるので、時折、退社後にコンサートを楽しんでいます」
01
プロジェクトの背景
利便性を考慮して、情報を整理する
2011年3月、東日本大震災により福島第一原子力発電所で炉心溶融の事故が発生。放射線物質の拡散により福島県浜通り地域を中心に避難指示が政府から出され、10万人超の住民が避難した。7年が経過した2018年時点において、帰還困難区域以外での除染は完了したものの、数万人規模の避難は続いており、地域産業への影響も残っている。
MRAは、福島の復興に関連して、いくつものプロジェクトに取り組んでいる。その一つ、「放射線による健康不安の解消」のための冊子改訂プロジェクトについて、技術・安全事業部原子力および福島復興分野の垣本悠太、中島光瑠に解説してもらった。
出版社ではないシンクタンクが、冊子の改訂業務を行う意義は、どこにあるのだろう。
02
プロジェクトの意義
現場で活動する人々の役に立つ冊子
『統一的な基礎資料』の初版は2014年2月に発行された。環境省が、最初に同冊子を作成した意図は何だったのだろう。
MRAが本事業に携わるようになったのは平成29年度からだが、その時点で『統一的な基礎資料』は既に数度の改訂を経ている。MRAは改訂にあたり、どのような点に着目したのだろうか?
『統一的な基礎資料』の利用者は、誰なのだろう?
03
苦労、求められる専門性
放射線と原発事故に関する広い知識
改訂にあたり、苦労したことを聞いてみた。
放射線や原発の事故対応の知識が必要と言うが、実は垣本も中島もMRAに入社する前の研究対象は、原子力でも地域再生でもない。キャリア入社の垣本の前職は大学の助教で、脳科学が専門だった。「研究が進むにつれ、扱う領域がどんどん狭くなっていった。社会に出て自分のやることを広げたいと思った」と彼は言う。一方、新卒入社の中島は、大学院では水産資源の管理を研究した。
二人とも「大学の専門と現在の仕事に直接の関係はない」と言うが、自分の専門分野の研究を通して、調査、データ解析、統計などを行っていた。「そういった面で貢献できるかなと思い、MRAに入社した」と垣本は言い、中島も「私も採用のとき、その点をアピールした」と振り返る。
04
得たもの、今後の展望
得た知見を他のプロジェクト、他の地域に活かす
2年続けて『統一的な基礎資料』を改訂した二人は、何を思い、今後どのように展開していくつもりなのだろうか?