MRI Research Associates
DEPARTMENTS05

数理システム事業部

Outline
概要

数値解析技術を基盤として、工学分野に留まらず、地震・津波・気象、電磁波等の自然現象や、人流・物流や経済動向等の社会現象を解明し、課題解決に取り組んでいます。 課題解決に際しては、解析だけでなく、数理モデル構築から、現象の予測や推定等のシミュレーション、AIを活用したデータ分析まで取り扱います。

従来からの計算工学的アプローチに加え、知識工学的アプローチ(機械学習等のデータ駆動型)も手がけ、業務受託に留まらない新サービスの提供といったビジネスモデルを志向しています。様々な数値解析を駆使して独自に事業を展開しつつ、他部門とも連携して様々な事業を支援しています。

当事業部は、主な対象分野に応じ、社会科学系分野の『広域社会解析チーム』 と、自然科学系分野の『都市基盤解析チーム』で構成されています。

Team
チーム(事例)紹介

広域社会解析チーム

現代社会は価値観の多様化が進み、人を取り巻く環境も目まぐるしく変化しています。そんな社会への投資効果を測る経済分析や、人の意思決定やそれに基づく行動のシミュレーション、財務的な指標だけでは測れないWell-beingなどの非財務価値の分析といった技術を駆使して、インフラの上に成り立つ社会を広く評価しています。

<経済効果分析(地域間産業連関分析、応用一般均衡分析)>

官・民における政策や事業には、交通インフラやエネルギーインフラ、都市開発、研究開発といった有形・無形の多様な投資があります。その投資によってどのような経済的影響があるのか、経済的影響を計測するための手法の選定、データの入手・作成、計算システムの実装、計算を通じて便益帰着構造の計測を行っています。経済的影響の計測結果は、貨幣価値で評価することが困難な非計量効果や事業実施環境などとともに事業実施の総合的な評価に活用され、さらに利害関係者間の合意形成などに役立てられています。

<エネルギー需給最適化>

再生可能エネルギーやEVが普及し、社会における発電・蓄電の状況は大きな転機を迎えています。各家庭や企業が個別に発電機を所有する事業者になりつつある今、将来のエネルギー需給を予測し、適切なインフラ整備(配送電設備の強化)を行う必要があります。当事業部では三菱総合研究所と共に、エネルギー需給をシミュレーションするためのモデル構築に取り組んでいます。省エネルギー化の観点からも、社会における最適なエネルギー運用の在り方を、具体的な数値を基に提案することを目指すとともに、応用統計に基づく新規推計手法の提案を行っております。

<機械学習(医療ビッグデータ解析・行動識別)>

要介護リスク推定AIとして、高齢者のバイタルデータから「今後1年以内に、要介護に認定されるリスク」を定量的に推定するAIモデルを設計・実装しています。また、人間行動の画像からの識別AIとして、労働集約型の産業における「現場作業の行動識別」や「作業記録の自動化」、「人員配置の最適化」を目的とした研究を行っています。

都市基盤解析チーム

構造・流体解析などの長きにわたる経験から蓄積した「数値解析技術」を活用し、自然科学全般から社会課題まで、その適用範囲を拡大しています。微視的・演繹的・計算工学的なアプローチにとどまらず、方程式モデルと機械学習モデルのハイブリッドによる精緻化やスパコンを活用したHPC(High Performance Computing)による大規模数値計算、都市デジタルツインを活用したリアルタイムシミュレーションといった新しいアプローチも志向しています。

<都市デジタルツインシミュレーション>

自然科学計算の知見やスーパーコンピューター、3D都市モデル等の先端的な技術を組み合わせた都市デジタルツインによる課題解決を目指しています。防災分野では、防災計画の立案や意識啓発を目的とし、スーパーコンピューターによる大規模台風被害シミュレーション、3D都市モデルを活用した浸水シミュレーションおよびリスク情報の可視化、データ同化技術を取り入れた災害予測、人流予測シミュレーション等に取り組んでいます。

<BIM/CIM・3Dデータ活用>

少子高齢化の進展によって我が国の都市基盤を担う土木・建築分野での人手不足・技術継承の課題が顕在化しています。当事業部では、異種システム・データ間の連携やFEMによる高度なシミュレーションの活用により、土木・建築設計業務の効率化・高度化のためのソリューション開発に取り組んでいます。また、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化に対しては、橋梁等の大型構造物に対する点検を効果的に実施するため、構造解析と数理最適化手法を組み合わせたソリューションの開発にも取り組んでいます。

Message
応募者の皆さまへ

複雑化する社会・経済への理解をすすめ、よりよい社会を実現するために、複合的な解析への期待が高まっています。われわれは国内外のアカデミックな知見も取り入れつつ、高度なノウハウをもった専門家集団として解析サービスを展開します。その解析技術によって得られる定量的なエビデンスを提供するだけでなく、IoTといった仮想空間と現実空間を融合する技術も通じて、社会の課題を解決していくことに意欲を持つ方を歓迎します。